重めの恋愛小説が好きだ。
重めであれば男性向けでも女性向けでも好きであり、けれど気持ち悪いほどの湿度が重要条件である。
そういうのが多いジャンルを探すとやっぱり女性向けのほうが見つかりやすい&宣伝文句で判断しやすいので、最近は女性向けの小説サイトとかレーベルのモノを見ている。
女性向けの小説サイトへ足を移した当初はヤンデレでタグ検索して上から順に読んでいっていたのだが、なんとなく読んでいてしっくりくるものがなかった。
執愛というジャンルがあるらしいので、これも片っ端から読んでみた。web小説というものは数が試せるのがありがたいところだ。
ヤンデレより打率が上がった感じがする。いいね。
でもちょっと大人しいのが多いかもしれないな……。
検索って難しい。心はもっと難しい。全然違うタグの恋愛小説がガン刺さりするときが少なくない。
色々試してみて思ったんだが、俺ってヤンデレが好きな訳じゃなかったんじゃないか?
俺が好きな恋愛小説の条件って
・愛が重め
・湿度がある
・自分の衝動性と闘っている
という3つの軸がある。
他人に加害するかしないかは軸に含まれないのだ。
でもヤンデレというと他人への攻撃、加害が花みたいな扱いをされやすい。
これはweb小説を多く読んでいる奴から見た感想だからエロゲーや商業ラノベ環境とはまた違う世界だと思うんだけど、大まかにはヤンデレという属性をサイコホラーの文脈と読むか恋愛の文脈と読むかの2つの派があると思っている。
サイコホラー文脈だとヤンデレの加害性がフィーチャーされて、めっちゃ主人公のこと傷つけてくる……しかもそれが「愛ゆえの行動」だから主人公側からしたらワケが分かんなくて怖いよ~~みたいな味付けをされる。
恋愛文脈だとヤンデレの加害性は「主人公の事を愛しているという確約」として使われる。
他者や主人公を害するくらいの分かりやすい行動で愛されていることを実感する訳だ。
こちらだとヤンデレがヤンデレになった理由が用意されていることも多く、物語終盤でヤンデレの精神状態が寛解することもある。
俺が好きなのっていったらやっぱ恋愛文脈な訳だが、俺はヤンデレが加害性を発揮し過ぎてる作品は苦手だ。
他の人に態度悪くなるとかでもダメなときがある。
俺も重めの恋愛小説が好きってことは「愛の確約」が好きで、「相手が主人公のことを好きか分からないスリル」を歓迎しているタイプの読者じゃないってことだと思うんだが。
じゃあ何が好きなんだよっていうと、その恋ゆえの攻撃性を必死で押さえつけて、自分で自分を責めている構図が好きなんだな。
本当は攻撃性が強くて、いつも主人公を手に入れたくて堪らないのに、そんな自分がダメな人間だということも分かっている。
自分が嫌いで、けれどこのままで良いのかと言われるとすぐには答えられない。
自縄自縛の日々で動けないまま、主人公は日々自分から離れていく。
いつも通りの日常を過ごしているが、精神は日を追うごとにグチャグチャになっていく。
みたいな葛藤がめちゃくちゃみっしり書かれてる作品が読みたいんだよな。
で、これって多分ヤンデレではないと思うんだよな。
攻撃性ではなく、攻撃性からくる自己嫌悪と葛藤が主題になっているので。
それって多分普通の恋愛物語だよな、タグ付けとしては。
でも普通の恋愛小説だといわゆる「愛の確約」が俺的には足りてないんだよな~……。
なんでこんなこといちいち書いてるのかというと、創作男女のストーリープロットを練りたいと思ったからですね。
あいつらは俺のこういう欲求を満たしたいがためだけに生み出されたキャラなんだが、俺は一から世界観や話を作れるタイプのお絵描きマンではないのでなかなか話が進められないのだ。
だってさっきの何が好きなのか書いた文見てよ。
お気づきだろうか。
表面上なんのイベントも起きていないのである……。
俺の好み100%にすると何も起きないまま話が終わるのである。
別に葛藤さえしてればハッピーエンドでもバッドエンドでも良いんだが、初心者にバッドエンドが書けるとは思わない。
そして話とは転がすものである。
うーん、ストーリーとは……愛の確約とは……ヤンデレとは……。